2026年度
獣医学部へ行こう
「入試のポイント」 Vol.3
juuigaku.net事務局です。獣医学部入試に関わる様々な情報をご提供致します。資料につきましては、メディクールよりご提供頂いています。
今回は、私立大学獣医学部の入試についてお話したいと思います。まず、日本に獣医学部を有する大学は6大学しかありません。自分のなりたい将来像を叶えるために適した環境を選ぶことが最優先ですが、学力状況や特性を踏まえて相性の良い大学や試験制度を見つけることも大きなポイントになります。
そこで私立獣医学部の入試を試験制度ごとに解説していきます。選抜方式としては学校推薦型選抜、総合型選抜、一般選抜の前期・後期、共通テスト利用入試、共通テスト併用式など実に多様な試験制度が設けられています。(抜粋につき詳細は各大学の入試要項でご確認ください)
●一般選抜(前期試験)
まず、最も募集定員が多くメインの入試といえるのが一般選抜試験です。私立獣医学部の一般選抜は高い偏差値となっていますが、実際の出題レベルは標準的なものが多くなっています。そのかわり設問数が多い傾向がありますので、時間が足りないという方が多いのではないでしょうか。また、各大学によって記述式やマーク式などの違いもあり、出題傾向にも違いがありますので、しっかりと過去問題演習を積み重ねて本番に備えましょう。
以下に6大学の一般選抜の概要をまとめておきます。
◎麻布大学
各科目の傾向として英語は問題量が多く、時間的にもかなり厳しいため、速読できる力が必要です。数学のレベルも高く、長文の確率の問題など独特の出題が見られ、過去問の対策が重要になるでしょう。理科は生物に見られる複数解答問題が難易度を上げています。難問を上手く避けて解く判断力も必要になります。
◎岡山理科大学
各科目とも同大学他学部の入試に獣医学科のみの問題が追加された形の出題です。合格最低点は非公表です。数学の一部にやや難しい出題が見られる場合がありますが、全体的には標準レベルの良問が出題される場合が多いので、教科書準拠の問題集をしっかりと学習することが大切です。
◎北里大学
英語のレベルは高めで、時間的にも厳しく、語彙力を問われる出題もみられるので、その対策が必要です。数学は記述式ですが、偏りのない標準的な問題なので、教科書の章末レベルの問題を穴のないように学習することが大切です。合格最低ラインは得点率70%前後の水準であり、確実に得点できる問題をテンポ良く解答していくことが大切です。
◎日本大学
英語は時間的にかなり厳しいでしょう。会話文の出題が多いので対策が必要です。よく考えられた出題がされていて、以前は見た事のない問題が出たり、整数問題が出たりしましたが、ここ数年間はかなり平易な出題が続いています。点数は標準化得点に換算し、合否の判定は総合点で評価します。また、解答は全問マークシート式であり、高得点勝負となっていますのでミスを減らすことがポイントになります。
◎日本獣医生命科学大学
一般選抜第1回は、3科目とも独自試験方式で、マーク・記述の複合形式で出題されます。英語は長文読解の問題が多くを占めており、数学も大問4~5題ということで時間的にタイトになるでしょう。理科は国公立大学の出題に似たような論述問題も見られ難度は高いと言えるでしょう。第1回選抜の独自試験方式はもちろん、第2回共通テスト併用(理科のみ本学試験)でも国立志願者の併願も多く、高得点勝負となりますがミスを減らすことを第一に考えてください。
◎酪農学園大学
昨年の入試から、3科目とも独自の学力試験を行う一般選抜前期試験が復活しました。私立のみの受験を考えている受験生にとっては出願しやすくなったといえるでしょう。しかし、解答は記述式で難度の高い出題も見られますので、事前の過去問題演習で傾向をつかみましょう。理科において化学は標準レベルですが、生物は難易度が高いので、傾向対策を万全にして挑みましょう。
●学校推薦型選抜
続いて合格への大きなチャンスといえるのが学校推薦型選抜についてまとめています。前回お話した国公立大学の学校推薦型選抜は共通テストが必須のため、求められる学力水準は一般選抜とあまり差がない状況となっていました。しかし、私立大学では出題範囲が「数学ⅠAまで」や「生物基礎・化学基礎まで」などと限定的な場合も多い上に、小論文や面接の配点も比較的大きいため、学力以外の要素も合否に影響しうる入試といえるでしょう。
各大学の出願要件や試験内容は、次の図にまとめています。(最新の状況は大学の入試要項をご確認ください)
●共通テスト利用入試
さて、最後に全科目共通テストの得点のみで合否判定する共通テスト利用入試についてお話します。共通テスト利用入試は試験会場に足を運ぶことなく合否判定ができますので、国公立大学を目指す受験生にとって私立大学を併願する上で受験しやすい制度となっています。また、日本獣医生命科学大学や酪農学園大学が実施している一部の科目のみ共通テストを利用し、独自試験と組み合わせて合否判定をする共通テスト併用方式なども存在します。以下に昨年度の共通テスト利用入試の合格最低点をまとめていますが、非常に高い合格ラインですので、私立を中心に受験を考えている方にとってはそこまで優先順位の高い入試ではないかもしれません。
以上、私立獣医学部についてまとめました。夏本番を迎え、受験生も追い込みスイッチが入っていることでしょう。皆さんの学習が順調に進んでいることを願っています。もし、少しでも不安をお持ちの方がいらっしゃいましたら受験相談のみでも結構ですので、気軽に獣医専門予備校メディクールにご相談ください。
メディクールのホームページはこちら
医・歯・薬・獣医専門予備校 メディクール (medicool.jp)