動物の医療と看護、動物生産、食を支えるスペシャリストを育成
日本獣医生命科学大学は、1881(明治14)年、東京都文京区の護国寺に日本初の私立獣医学校として開学して以来139年の歴史を持つ、獣医学部、応用生命科学部、大学院獣医生命科学研究科を置く、教職員約180名、学生約1800名の小規模ながら伝統に輝く学府です。
キャンパスは JR中央線「武蔵境駅」南口から徒歩2分。「武蔵境駅」は、「新宿駅」から快速で約20分。「吉祥寺駅」からは2駅5分の距離です。周辺は緑が多く、明るく住みやすい住宅街で、毎日の暮らしに便利な大型ショッピングセンターや書店・飲食店なども揃っています。
獣医学部
獣医学部は、獣医学科と獣医保健看護学科の2学科で構成されており、獣医学科は日本初の私立獣医学校として1881年に開設し、私学では最も長い伝統を有しています。一方、獣医保健看護学科は動物看護師を養成する獣医系大学で初の4年制学科であり、動物の看護ばかりでなく疾病予防、動物衛生、環境保全や動物福祉等にも精通した獣医療専門技術者の育成を目的に設置されました。両学科とも、基礎領域、応用領域、臨床領域のバランスを配慮した教育が特徴で、卒業後に社会に出てもすぐに活躍できる人材を育成しています。
現在、全国の獣医系大学では獣医学教育モデル・コア・カリキュラムに沿った教育を実践しています。その中の特徴の一つとして「参加型臨床実習」があります。これは、学生がより実践的な診療技術と知識を修得することにより、動物飼育者が求めるより質の高い獣医療を提供できる獣医師を養成することが目的です。
参加型臨床実習に臨むにあたり、実施される「獣医学共用試験」では、知識を確認するvetCBTと技能試験であるvetOSCEを実施します。vetOSCEでは、技術ばかりでなく人とのコミュニケーション能力も問われるため、本学では全国に先駆けコミュニケーション実習も取り入れています。
また、獣医保健看護学科では、学内に新設された模擬病院や付属動物医療センターを利用した臨床実習を強化しています。動物の医療は、獣医師と動物看護師の共同作業で行われており、その中で、動物看護師は獣医師のサポート役ばかりでなく、動物の飼い主の心に寄り添う重要な役割も担えるよう教育を行っています。
応用生命科学部
応用生命科学とは、生物が持つ多様性を理解し、自然との共生を保ちながら、私たちの生活を豊かにしていくための学問です。応用生命科学部は、動物科学科と食品科学科の2学科で構成されており、動物科学科では、人間と産業動物・食料との関係を多角的に追求します。食品科学科では、「人々の生活や心を豊かにする」という観点から食品の安全性、おいしさ、機能性などについて学びます。
両学科では、数年前から「専門色の強い科目を増やす」「実習の充実」を主眼とした新カリキュラムを導入しています。現代は、気候変動による生態系への影響、食料問題、エネルギー資源問題など、地球規模で考え、解決していかなければならない課題が山積しています。こうした課題に対応するためには、専門的知識の修得と同時に、身につけた知識を実践につなげる行動力が不可欠となります。
大学機関・施設
① 付属動物医療センター
付属動物医療センターでは、犬、猫などの伴侶動物に対して、家族である飼い主様との間に十分な信頼関係を築きながら、質の高い獣医療を提供しつつ診断・治療に取り組んでいます。ハード面では、 MRI、CT、超音波診断装置、内視鏡などの画像診断装置や放射線治療装置(リニアック)、陽圧手術室などの最先端の設備を備え、高度な獣医療を提供しています。
獣医学科・獣医保健看護学科では、問診から各種検査、治療まで一連の過程を学ぶため、付属動物医療センターの診療現場で実習を行っています。
② 付属牧場(富士アニマルファーム)
富士山麓(山梨県)に産業動物実習や研究、生産などの目的で設置された付属牧場です。ここでは、牛、馬、豚などの様々な動物が飼育され、学生は泊りがけの実習で動物と触れ合いながら学びます。
③ 付属博物館(ワイルド・ライフミュージアム)
ワイルドライフ・ミュージアムは、我が国における獣医畜産学の歴史遺産を保管・紹介することを目的の一つとして2015年に設置された本学付属の博物館です。大学のイベントに合わせ た一般公開のほか、本学の学芸員課程受講生等の学習・研修目的でも活用されています。
④ 生命科学共同研究施設(E棟・F棟)
生命の謎を解き明かすための動物研究を行う共同研究施設として、2カ所の動物研究施設(E棟・F棟)を有しています。この施設では、実験室ごとに室温や照明がコントロールされ、つねに実験に最適な環境が保たれているほか、実験の精度を高めるために、外部からの感染症を防ぐ衛生管理が徹底して行われています。